序章《綺麗な青い雪の中で》

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   『奇跡』  それは、極微量なものから、果てしなく雄大なものまで……  それは、かつて死んだと諦めた人間が、また生き返る時にも使われる……  私に起こった奇跡は、他の奇跡よりも誇れる程に雄大で……  だからかな……さっきから涙が止まらないの。  この雪のように、ずっとずっと、止まってくれないの……  嬉しくて泣いてるの……?  悲しくて泣いてるの……?  その答えは、今降ってる雪の中にあるのかな……  この雪は青く、とても綺麗。  奇跡が降らせた雪は、この世で一番輝いていた。  一生忘れられないこの日に、降らせてくれたんだよね……?  ねえ?お兄ちゃん──
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