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少年は走った。
汗の正体は、何かからの逃走による疲労や体温上昇による熱のよう。
足音や、辺りに飛び散る雪に構わず逃げ続ける。
ギュッ、ギュッと地面がなる度に、少年は白い息を吐きながら後ろを振り向く。
だがやはり体力に限界がある。今、走るのを止めて立ち止まった。
酷く疲れている様子が伺える。どれほど走ったのだろうか。
息を切らしながら、膝に手をついてまた地面を溶かしていた。
先程のように汗を拭おうとせず、少年はただ息を切らしていた。
と、もう一度後ろを確認。そして言った。
「ハァ……ルージュ……」
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