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前歯一本
肋骨
左の鎖骨
只今治療中。
『篭。』
ガチャッ。
夜中の2時。
俺は背中の衝撃と共に目が覚めた。
「っつぅ……」
もろに右から落ちたな。
じんじんする。
彼が帰ってきたのがすぐわかるようにいつも俺は玄関に近いソファーで寝るようにしていた。
そしたら最近じゃあ彼は帰ってくるなり俺を引きずり下ろして床に叩きつけるようになった。
おかげで俺の背中はほぼ紫色に変色してる。
なんとか痛みをやり過ごして
目を開けて見ればゴミでも見るかの彼の目。それも今更だ。
「おかえ…」
言葉を待たずに今度は彼の右足が鳩尾に振り落とされる。
しかも2発。
ミシミシ俺の骨が軋む音がする。そしてとどめの一発で俺の口から胃液と吸収されなかった鎮痛薬が吐き出された。
「ゲホッゲ…ぅえ…」
酸っぱい臭いとうまく呼吸ができないのとで頭がぼやける。
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