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それからはもう彼が滑稽に見えてしようがなかった。 必死で必死で俺を殴る彼が愛おしくてしようがない。 彼が泣いてる部屋の入口に買い物袋を置いてもたれ掛かる。 いまだ彼の泣き声は止まない。 スエットの中で緩く勃ちあがった自身を握り込む。 くちゅ…くちゅ… 「……ふふ……」 「ぐすっ…ぅっうぅ…」 「ははっ…」 先の窪みをいじりながら擦り上げて快感を高めていく。 「ふふっ……」 早く認めてしまえばいいのに。 楽になっちゃえばいいのに。 逃げ場なんてないのにさ。 馬鹿だなぁ。 それでも あぁ愛おしい。 愛おしい。 早く堕ちておいで。 早く。 追い詰めて追い詰めて 愛してあげる。 抱きしめてあげる。 きっと彼はもう淵まできてる。 あともう少し。 堕ちるまであともうそんなに かからないだろう。 彼の一際大きな泣き声に俺は白濁を吐き出した。
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