出逢い

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目が覚めると、昼前だった。 まずい、大遅刻だ! 慌てて飛び起きたところで、今日が土曜日だったことを思い出した。 すっかり気が抜けた俺は、あくびをして再びベッドに倒れ込む。 ここ最近は、バイトが深夜のシフト続きで寝不足気味だったせいもあって、このまま起きている気にはならなかった。 枕元で充電していたスマホが数回鳴ったのを無視して、俺は布団を被り直した。 もう少し寝るか、と目を閉じたときだった。 何かが割れるような音がした。 「なんだ?」 音の出所を探るために起き上がり、ベランダの窓を確認してみる。 窓ガラスにはヒビひとつ入っていない。 皿が落ちたのか?と台所を覗いたが、食器類はシンクの横に置かれたままだ。 部屋を見回しても、壊れたようなものはない。 ワンルームの一人暮らし用の安アパートだ。 上の階の住人が、うっかりコップでも割ったのかもしれない。そう思うことにした。
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