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ベッドに戻ろうとして、再びスマホが鳴っていることに気がついた。
画面を確認すると、『姉ちゃん』という文字が表示されている。
普段はメールで済ませるくせに、電話してくるのは珍しい。
スマホから充電用のコードを引き抜いて電話に出る。
「もしもし」
「あ、やっと出た!」
少し呆れたような声色。…なんだか嫌な予感がする。
「何か用?」
「何か用?じゃないって!さっきから何度も電話してるんだけど全然出ないし。またこんな時間まで寝てたんでしょ!毎日朝ごはんとお昼ご飯はちゃんと食べてるの?お母さんも心配してるし、たまにはそっちから連絡のひとつくらいしたら…」
予感的中。姉ちゃん説教モードになると話長いんだよな…。
「で、何か用?」
ここで切り込まないと、本格的に姉ちゃんの説教タイムに突入してしまうと感じた俺は、無理やり話を遮って再び用件を聞くことにした。
「え?…あっ、そうそう。あのさ、アンタ宛におんなじ手紙がいくつも届いてるんだけど、心当たりある?白い豪華な封筒にアンタの名前と、差出人のところに『シロウサギ』って書いてあるだけの手紙が毎日来るのよ」
話を変えることに成功してホッとしたが、何故か一瞬だけ、全身がざわつくような感覚がした。
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