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『貴様も愚かだなぁ。まぁ襲う事は、動物としての本能だ。否定はしないが、ヤるなら他でヤれ』
『なんで、お前の指図されなきゃならねぇんだっ』
『極、当たり前の事だ。低能で弱い貴様らに、高能で強い我が指図する。自然だろう?』
『何をバカな、事……いたたたたっ』
『我も、事を穏便に済ませたいんだが……。貴様が邪魔をするなら、この腕、むしり取っても、構わないのだぞ?腕1本無くす如きで死ぬ程、お前らは弱くは無いもんなぁ?』
そう言い、男はニヤリと不気味な笑みを浮かべる。
『わっ、分かった。分かったから許してくれっ』
フッと微笑し、掴んでいた手を離す。
『ひぃぃいっ』
解放された男は、叫びながら逃げて行く。
『流石リリスの娘だ。雄を引き寄せる……。しかしリリスの娘なら、あんな簡単に倒されてんなよ』
残った男が私を見て、そう言って来る。
『はっ?いきなり何っ?てかリリスって誰よっ』
『お前の母親だ』
(え?私の母さん?)
『貴方、母さんを知ってるの!?』
『あぁ』
『どういう関係っ。母さんは、どんな人だったのっ』
フッと男は微笑する。
その時、突風が吹く。
私は思わず目を瞑る。
目を開けると男の姿は、そこには無かった。
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