覚 醒

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  「ん……ふあぁぁぁ……」 くろせいは大きな欠伸をし、まだ寝足りないとばかりにベッドに潜り込む。 しかし彼のささやかな幸せは、隣人しぐれんにて破られた。 「またお前の仕業か、変態め!」 と言いながらくろせいの背中を、自ら作った人形でボスボスと殴る幼い少年。 ちらりとその姿を見たくろせいは一瞬寝直そうとするも、即座に起き上がりじっと見つめる。 その時しぐれんもまた、くろせいの頭に付いている三角形に目を奪われていた。 「くろせい、お前って奴は自ら装着するほど――」 「うおぉぉ!?しぐれん萌えぇ!」 突如飛び付いて来たくろせいに対し、冷静に肘鉄を食らわすしぐれん。 その瞬時の判断力と的確な行動力は、歴戦の戦士のそれに等しい。 「何が萌だ変態。つーかその頭は何だ!」 しぐれんは眉をひそめ、ビシッとくろせいの頭を指差す。 ショタフェイスではいまいち迫力に欠けるが、くろせいをやや正気に戻すには十分だったようだ。 口調がどうのこうのと呟きながら、鏡の前に移動するくろせい。 「な……なんじゃこりゃあああああぁぁぁぁ!!」 と叫ぶ鏡に映る彼の頭には、立派な猫耳が付いていた。
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