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くろせいとしぐれんは早速、村はずれに出掛けるために準備を始めた。
くろせいは家にあった【週刊☆筋肉達磨】の付録の細マッチョ君紙相撲セットを。
一旦家に戻ったしぐれんは、体が勝手に選んだクマさんを。
それぞれ手に取り、北の森へと歩いて行った。
―――10分後―――
「ここか、魔法使いが住んでるってのは……」
古びた洋館を見上げてそう呟くショタしぐれんと、猫耳くろせい。
蔦がはびこり、カラスが鳴き喚き、曇り空からは時折雷鳴が轟くという徹底した古びた洋館ぶりである。
「んじゃまぁ入るか」
ギギィィィ
と嫌な音を立てて開いた古びた洋館の扉。
ギシギシと不快な音を奏でる階段を登り、2人はこの館で唯一生活感のある部屋にやって来た。
「誰かいるのか?」
黒で統一された豪華な室内に一つだけ目に留まったもの、それは微かな上下運動を繰り返す天蓋付きのベッド。
しぐれんがそろりそろりと近づくと、そこに寝ていたのは金髪の美少女だった。
「これはかの有名な、キスで覚醒フラグだな」
うんうんと一人で不気味に頷くくろせいを放置し、しぐれんは少女をユサユサと揺する。
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