覚 醒

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しかし少女は一向に目覚める気配がなく、さてどうしたものかと途方に暮れてしまうしぐれん。 その時、猫耳男がいつになく真剣な顔をして口を開いた。 「……ここは、俺がやろう。女なんざ興味は無いが、その分清らかな気持ちでキ――」 次の瞬間、寝ているはずの少女から飛んできたナイフ。 それは猫耳の間をすり抜け、壁に深々と刺さった。 「え?俺なんかした?ねぇ俺なんかしたっけ?殺されかけるようなこと」 くろせいは こんらんした! 少女とナイフを交互に見やっているくろせいを放置し、しぐれんは少女の顔をじぃっと覗き込む。 「起きてるんだったら、はなっから反応してくださいよ」 くろせいは、見た。 突如捲り上げられる羽毛布団。 その下から飛び出してきた少女が、しぐれんの胸ぐらをがっちりと掴む。 その勢いのままにベッドの上に立った少女は、清らかな微笑みを見せて言った。 「ショタ、ゲットだぜ!」 なぞのしょうじょが あらわれた! 少女に胸ぐらを掴まれ、ぶらーんとぶら下がっているしぐれんは、何が起こったのかわからない様子。
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