1人が本棚に入れています
本棚に追加
視る(美雨の話)
わたしは眠れない。
身体は寝ていても、心は眠れない。
それは、なんて苦しく、そして甘美なんだろう。
人は眠る時、自分を守ることができない。思考に蓋ができない。その無防備に飛び散る
ホシイ、ホシイ、ホシイ!
という想いが、わたしを眠らせない。
今も電車の中で、横に座るあなたの夢が視える。あなたの苦しみが分かる。わたしは、あなたになる。
だから、言葉を残します。
起きたらきっと不思議に思うでしょうね?手のひらの紙切れが、あなたの一番欲しい言葉を伝えているんだもの。
……でもこれは特別。
普段はこれがわたしの仕事。つまり、きちんとお金を頂くの。しかも、沢山。
最初のコメントを投稿しよう!