視る(美雨の話)

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視る(美雨の話)

わたしは眠れない。 身体は寝ていても、心は眠れない。 それは、なんて苦しく、そして甘美なんだろう。 人は眠る時、自分を守ることができない。思考に蓋ができない。その無防備に飛び散る ホシイ、ホシイ、ホシイ! という想いが、わたしを眠らせない。 今も電車の中で、横に座るあなたの夢が視える。あなたの苦しみが分かる。わたしは、あなたになる。 だから、言葉を残します。 起きたらきっと不思議に思うでしょうね?手のひらの紙切れが、あなたの一番欲しい言葉を伝えているんだもの。 ……でもこれは特別。 普段はこれがわたしの仕事。つまり、きちんとお金を頂くの。しかも、沢山。
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