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静かな夜の街―――
その中、騒がしくパトカーのサイレンが鳴り響いた。
街から少し離れた郊外にあるマンションへと、パトカーは向かっている。
マンションの前には人だかりができていて、その入り口には黄色いテープで野次馬が中に入れないようになっていた。
そこでパトカーが止まり、中からスーツを着た警察が降りた。
それに気づいた警官が、スーツを着た男に気づき駆け寄り姿勢を正し敬礼した。
「新田警部!ご苦労様です!!」
「はいはい、んで?状況は?」
ダルそうに頭をかきながら聞くと、警官は小さいメモを取り出した。
「はっ、死亡推定時刻は夜9時から深夜12時の間、死因は頭蓋骨骨折と首の骨が骨折してだと思います。部屋は内側から鍵がかけられていて、密室でした」
「誰か訪問者は」
「このマンションはあそこの管理人室を通らないと入れないらしくて、その時間にはすんでいる人以外誰も通ってないそうです」
「そうか…ご苦労さん」
「はっ!」
男が一言言うと、警官は再び敬礼し持ち場に戻った。
「ん~…」
男は遺体の側に立ち、上を見上げた。
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