温泉旅行に愛はつきもの

10/15

5610人が本棚に入れています
本棚に追加
/79ページ
じゃあ…私のため? 驚いた顔で固まる私に、海斗が困ったように笑う。 「まったく…お前はすぐ不安になるな。」 「ごめんなさい…」 「責めているんじゃない。」 言いながら抱きしめられ、優しい声が私をなだめるみたく響いた。 「不安になるのは愛しているからだと…つい最近安田が言っていた。だからその不安も、お前が俺を愛している証しなんだろう?」 「海斗…うん。」 抱きしめられた体が熱い。 私の中の欲望が疼きゾクゾクと背筋を悪寒に似たものが走った。 不安になるのは愛しているから。 だから…だからこそ今、海斗に触れて欲しい。 熱く激しく求めて欲しい。 気づいた時にはもう口を開いていた。 「海斗…お願い、抱いて?今すぐ海斗に抱かれたいの。」 「遊里、しかし傷が…」 「我慢出来ない。海斗が…欲しい。」 言い終わるとすぐに海斗の唇を塞ぐ。 自ら舌を絡ませると海斗が驚きつつも応えてくれた。 「んっ…ふっん…」 淫らに舌が絡み合う音が響く。 じわじわと蕾が濡れていくのが分かった。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5610人が本棚に入れています
本棚に追加