5614人が本棚に入れています
本棚に追加
「いったいどういう事なんだ?この女は誰だ。」
「それが私にも…山崎早苗ちゃんていう名前は分かるんだけど…。目的は分からないの。…そろそろ教えてくれない?」
優に問いかけると、優と早苗が視線を交わす。
そのまま頷き合い私達へと向き直った。
「…お話しします。ただ…海斗さん、ですか?あなたを縛らせて下さい。」
「…何?」
「きゃっ!!」
優の言葉に海斗が苛立たしい声を出したのと同時に、私の体が後ろへと引っ張られた。
その首筋に小さなナイフが当てられる。
「早苗ちゃん…?どうして…」
「…ったく、何の真似なんだ…縛るなら早くしろ。」
私の姿を見た海斗は吐き捨てるように言い、近くにあった椅子に乱暴に腰を下ろした。
その手足を優が椅子に括りつける。
「…何が目的なの?傷つけないって言ったじゃない!!」
後ろにいる早苗ちゃんに訴えた。
そのナイフを握る手が震えている。
「傷つけません!だから…だから大人しくしていて下さいっお願いします!」
苦しそうな声に、仕方なく口を閉じた。
敷かれた座布団に座らされ、海斗を縛り終えた優と早苗も床に座る。
最初のコメントを投稿しよう!