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「…その見合いを潰して、お前は早苗を嫁にもらうつもりはあるのか?親を説得して一緒になる覚悟はあるのか?」
「…そんなのっ…20才になれば親の許可なしでも…」
「20才になれば…?」
海斗の顔が険しくなる。
「20才になれば勝手に結婚できるとでも?…親の許可なしの結婚が、早苗をどれだけ苦しめるかは分かるのか?親に祝福されない結婚がどれだけ辛いか、お前にその辛さまで背負ってやれる力はあるのか!?」
「っ…うるさい黙れ!!あんたこの状況がわかってんのかよ!!」
ダンッ!!
海斗の言葉にイラつき、床を踏みつけ優が怒鳴り散らした。
海斗の言っている意味は分かるはずだ。
今は当人達のお互いを「好き」だという感情でなんとかなるかもしれない。
だけど…結婚となれば話しは別だ。
早苗の母親に認められないまま結婚したら、早苗はきっと苦しむだろう。
二人の子供が生まれた時。
早苗は母親に聞きたい事も聞けない。
孫を見せてもやれない。
それが早苗にとってどれだけ辛い事か。
お互いが本当に想い合っているのなら、こんな大それた真似をする前にもっと考えるべき事があったはずだ。
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