5612人が本棚に入れています
本棚に追加
「本当に…ごめんなさい。でも分かって下さ…ごめんなさい!」
恐怖で目頭が熱くなる。
それを見た米沢さんが、嬉しそうに笑った。
「ああ…良いですねその顔。一目惚れした時から考えていたんです。」
ギリッ。
掴まれた腕に更なる力が加えられる。
痛みに声すら出なかった。
「あなたを痛めつけたら…どんな風に鳴いてくれるのかって。」
「!?」
怖い。
怖い、この人は普通じゃない。
体が大きく震え出す。
「っ…誰かっ誰か助けっぐっ!!」
大きな声で助けを呼ぼうとした瞬間にお腹に突き刺さすような痛みが走った。
米沢さんがテーブルを蹴り私のお腹に勢いをつけて当てたのだ。
そのまま彼はテーブルを跨ぎ私の横にしゃがみ込む。
お腹を抑えて伏せている私の髪を掴み、彼は更に衝撃的な一言を言った。
「…このまま誰も居ない所に行きましょうか。そこで…死ぬまで可愛いがってあげますよ。」
「―――っ!」
殺される。
そう確信した。
そのまま髪を掴んだ手が頭ごと私を壁に叩きつけ、こめかみに生暖かいものが伝う。
っ…目の前が真っ暗に…。
薄れゆく意識の中。
私が考えていたのは信じられないくらい馬鹿な事だった。
最初のコメントを投稿しよう!