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「遊里！！！」
ﾊﾞｧﾝｯ！！
凄まじい音をたて、襖が開けられる。
その音に驚いて顔を上げた米沢が、飛び出そうな程に目をひんむいた。
「おい勝手にっ…！！え…あれ……？」
米沢は言葉に詰まった。
怖い顔をして自分を見下ろす侵入者をどこかで見た事がある。
必死に頭を回転させている間にも、侵入者…改め海斗は組み敷かれた遊里の姿を捉えていた。
その海斗の顔が歪んでいく。
悲しみなのか怒りなのか。
自分ですらわからない感情がぐちゃぐちゃの混ざり合いどす黒くなっていく。
米沢に組み敷かれた遊里に意識はなく、こめかみから血を流し、ﾈｸﾀｲで腕を縛られていた。
意識を失っても尚殴りつけたのか…頬が赤くなり少し腫れてすらいる。
衣服は乱れ今正に襲われる所だったらしく、米沢の醜い欲望がむき出しになっていた。
「…をしている…」
「え…？」
「何をしているんだ貴様ぁ！！！」
低く大きな怒鳴り声と共に海斗が勢いよく米沢に飛びかかる。
「う…うわぁあ！！！」
米沢を床に叩きつけるように覆い被さり、海斗はその拳を振り上げた。
何度も、何度も。
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