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それを聞き、早苗の母親がﾊｯとしたように顔を青くする。
慌てて私の方に体を向け彼女は額を畳につけ謝った。
「娘や優君のせいで怖い思いをさせた挙げ句怪我まで…親として謝罪致します。本当に申し訳ありませんでした。」
「…お母さん、顔を上げて下さい。もう血も止まりましたし、大丈夫ですから…。」
そう言うと、母親がゆっくりと体を起こす。
言葉にならない思いをこめたその瞳に、私は小さく頷き返した。
後日改めて謝罪に来ると言い残し米沢親子が帰り。
部屋には再び沈黙が戻って来た。
米沢さんが出て行く時、海斗は今にも飛びかかりそうな目でひたすら睨みつけていた。
しかし、海斗もちょっとやり過ぎてしまったし…私が海斗の手を握りそれを止めたのだ。
この事件が公になれば、早苗や優の将来にも影響がでるかもしれない。
だから警察にも行くつもりはなかった。
「…だから優君とは別れなさいと言ったでしょう。」
急に母親が喋りだし、その怒りで震えた声に空気が冷たくなる。
「お母さん…これは優だけのせいじゃ…」
「黙りなさい！！…何が何でも別れさせるわ。良いわね！！」
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