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「海斗…」
ビクッと肩が揺れる。
そのまま首筋に唇を落とされると、小さな吐息が漏れてしまった。
「…ああ、ダメだな。一途に思い過ぎて止まらない…。」
クスッと笑い、海斗が腰を擦り寄せてくる。
腰の辺りに堅いものが当たり、体がカッと熱くなった。
「海斗…んっ…絵画展、は?」
「明日まであるんだろう?…今は遊里の体以外見たくない。明日行けば良いさ。」
言いながらも海斗の手が私のシャツのボタンを外していく。
「や、外から見えちゃう…」
身を捩って抵抗したら、そっと腰を掴まれた。
「…それはマズイな。こんな可愛い妻の姿を誰かに見せたくはないからな…。」
わざとに囁く声に体が震える。
低い声は驚く程に私の体を熱くした。
グイッと体を回され、そのまま横に抱きかかえられる。
「…どこに…?」
不安げに聞くと。
見慣れた意地悪な笑みが返ってきた。
「っや…あっ!海斗、声聞こえちゃうっ…」
ピシャッ…。
暴れる私の腕のせいで、露天風呂のお湯が跳ねる。
「…離れにあるこの部屋専用の露天風呂だ。誰からも見えないし、聞こえるはずがないだろう?」
既に熱のこもった声で海斗が笑った。
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