5610人が本棚に入れています
本棚に追加
/79ページ
休む。
その言葉に胸が高鳴った。
「う、うん。」
やだわ私ったら…。
期待しちゃって…。
でも今日は米沢さんにベタベタ触られたから、海斗に触って欲しい。
海斗の温もりに包まれたい。
いそいそと海斗の横に潜ると、当たり前のように頭の下に腕が差し入れられた。
そのままぎゅっと抱きしめられ、安心感と共にドキドキが襲ってくる。
変なの。
もう毎日こうして眠っているくせに、ドキドキがなくなる事はない。
それはやっぱり、結婚してもなお私が海斗に恋しているからだ。
「……」
え…?
しかし、いつまで経っても期待していた行為に進む気配はない。
それどころか海斗は目を閉じているし、このまま寝てしまうんじゃないかとすら思えた。
…なんで?
胸がざわざわと波を立てる。
いつもなら布団に入ったら悪戯が始まるのに。
何で…。
そこまで考えてハッとした。
……お風呂…入ってないから?
米沢さんに触られたままお風呂に入ってないからだろうか。
……当たり前だよね。
誰が他の男の匂いのついた女を抱きたいと思うの?
体だって痣があって醜いし…。
考えると目頭が熱くなった。
やだ…今の私、汚いじゃない。
最初のコメントを投稿しよう!