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「だ…だって…」
「だって…?」
言葉の先を促すように囁かれると、体中が痺れていく。
ズルいよ。
そんな風にされたら…勝手に心が暴かれていく。
「海斗が…抱いてくれないから…」
「…何?」
「私が米沢さんに触られたから…お風呂にも入ってないし…汚いから触りたくないんでしょう?だから…んっ!」
言い終わる前に、熱い唇に言葉を遮られる。
海斗の舌が口内を激しく刺激し、そして離れた。
突然襲ってきた快楽に唇が震える。
その唇を親指で撫で、海斗が私の瞳を覗き込んだ。
海斗の瞳には怒りと悲しみが入り混じっている。
「…何故汚いなんて思うんだ。何回言えば分かる?遊里、お前はこの世で一番美しい。例え誰かがお前を傷つけようと、お前は絶対に汚れたりしない。その瞳も、唇も体も、全てきれいなままだ。」
真剣な瞳が私を上から下まで見つめていく。
それだけで愛撫をされているみたく体が疼いた。
「じゃあどうして…」
「…怪我をしているだろう。脳震盪も起こしている。激しい運動は遊里を苦しめるだけだ。」
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