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うすうす思ってたわよ。
こんなにこんなに誘拐されまくるって…なんか誘拐しやすいオーラでも出てるのかなって。
まさか息子にまで言われるとは…。
がっくりしつつ足をジタバタしていると、海斗が横に腰掛けた。
「…あいつらも親に説教するとは、大人になったもんだな。」
笑いをこらえ言う海斗に耳まで赤くなる。
……そうだ。
説教までされてしまった…。
「母さんは隙が多すぎるって前から思ってたんだよ。」とか、「ボーッとしてるからだろ」とか…。
まぁ、心配してくれてるからこその言葉だから嬉しいのだが、複雑だ。
「…子供に心配かけてばっかりだわ私。」
「…良いんじゃないか?それでも子供達はお前が好きなんだからな。…まぁもう少し落ち着いてくれるとありがたいが。」
最後の一文にガクッときてしまった。
「だよねぇ…。」
落ち込んで顔を枕に埋める。
すると優しい手が私の頭を撫でてくれた。
「慰めてやろうか?」
意地悪な囁きを耳朶に吹きかけられ、肩をすくめる。
「…どうやって…?」
不安に思いつつ顔を上げたら海斗がニヤッと笑った。
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