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「…お前が泣いて喜ぶ事をしてやろう。」
「!?」
そ…それってまさか…。
昨日もあんなにしたのに!?
今朝旅館を出る前にもしたのに!?
目をまん丸にして固まっていると、海斗が長い指で私の顎を持ち上げる。
「…なんだ?嬉しくないのか?」
「嬉しくないわけじゃない…けども…」
ダラダラと冷や汗が背中を伝った。
海斗よりはまだ若いとはいえ私ももう昔ほどの体力はないわけで。
連日の行為で足腰がガクガクで。
心の中で言い訳をしてみる。
でもそんな事言わなくたって海斗には分かっているはずだ。
それなのに意地悪な笑みを浮かべたまま、海斗は私の体に後ろから覆い被さってきた。
「…俺はまだまだいけるぞ?」
「か…海斗…?んっ…」
首筋に吸うようにキスされ体が震える。
「なんせ…絶倫らしいからな?」
「!!??」
き…聞こえてたんだあぁ!!!
昼間の呟きを聞いていたに違いない海斗の言葉に、別の意味で体が小刻みに震えた。
「…覚悟しておけ。」
恐ろしく低い声に、もう覚悟を決めるしかない。
………どうか明日立てますように…。
そう願いつつ、海斗のキスに身を委ねた。
END
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