四章

66/75
前へ
/422ページ
次へ
『すげぇ……。これが晶の人の打った刀……。』 オーリは刀を更に抜き出し、刀の全貌を見る 重い訳でも無く、軽い訳でも無い。吸い込まれるような妖しさを秘めた刀は、意外にもオーリの手に馴染む 「その刀、お前にやるよ」 『………は?』 唐突も無い晶の言葉。オーリは勿論、ゾル、カグラも声を失う 「その刀の名はは春雨。オーリに握られていると嬉しそうだ。頼めるか?」 晶はオーリの手を握って問う。その姿は大事な子を手放す様で、オーリはその気持ちを理解し、覚悟した上で頷く それと同時に、オーリはある種の畏怖、恐怖を感じていた。コイツの刀に対する感情は何なのか、どれ程の執着があるのか 春雨が折れる事があれば殺される、と 『絶対に大事にする。刃だって欠けさせない』 オーリは心の中でそう決意するが、それは杞憂に終わる。春雨には修復能力が付いている、そう晶が教えると、肩の荷が一つ落ちた様だ
/422ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5100人が本棚に入れています
本棚に追加