四章

71/75
前へ
/422ページ
次へ
カグラの言葉で何処か吹っ切れた晶は自分の過去、自分の決意を語り出した 「俺は昔家に居た時、周りの全てから異端として扱われてた。親が俺を嫌えば子供も俺を嫌う、だから俺には友達なんて一人も居なかった いや、一人居た。ルースって奴が居たんだけど、急に姿を晦ました ま、その話は置いとこう。俺は友達が欲しくて召喚術に手を出した。初めて友達になってくれたのはルリって奴だ 俺はもっと友達が欲しく、多くの召喚術を試みた。だけど途中から出来なくなった。体のキャパシティを超えたらしい それを解決する時に命を削る方法を思い付いた それで仲間をどんどん増やしたんだ 今、そんな仲間は居ない。俺はまた一人になり、寿命だって短いかもしれない だけど、この戦争は止める。俺が死ぬまでは絶対に誰も死なさない」 いつの間にか晶の手は固く拳を作っており、身体は何かに震えていた。カグラは言葉を紡ぐ晶を見ていたが不意に晶に近づき、その体を抱きしめた 「………一人じゃない。私が居る。聖達も居る。今の晶は、一人じゃない」 カグラの言葉は確実に晶の何かを振り払い、包み込んだ。晶はカグラの肩に顔を埋め、小さな子供が泣き叫ぶ様に、カグラの中で泣いた
/422ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5100人が本棚に入れています
本棚に追加