五章

5/9
前へ
/422ページ
次へ
そしてその音に対して気づき、近付いて来た者が居た。晶の師匠、ゾルだ ゾルは少し慌てながら床と晶を見て、深い溜息をついた 「いや、床はどうでも良い。国取られた。さっさと逃げるぞ」 ゾルは有無を言わさず晶達を捕まえ、晶の耳にしたこと無い呪文を唱え、転移した 「で、国取られて、何で俺ん家に逃げ込むんですか? いつ国取られたんですか?」 「お前達が城出たって報告が入った後によ、もう一本急な連絡入って政治を乗っとったとよ 信頼出来る部下はもう中に居る。この世界しか安全な場所は無いんでね」 ゾルが無造作に開けた扉からは晶にとって懐かしい風景が見え、何処も変わった所はない 『全く面倒な事になったもんだ』 『あ、アエーシュマ醤油取って』 その中に餅を焼きながら深刻な顔をしているオーリとアエーシュマが居る 二人とも何してんの? 晶にとって国が取られた事より、二人が人の家で餅を焼いているという事の方が頭が痛くなった
/422ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5100人が本棚に入れています
本棚に追加