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「向こうは今ギスギスしてやがる。なんでも、ギルドに化けた魔物が居たって話だ。奴らは本気で世界を乗っ取るつもりだ、とは思うんだがな」
そう言ってボサボサの髪を掻きむしるゾル。何か腑に落ちない事でもあるのか、何かに悩んでいる様だ
「俺がサタンなら、晶を裂け目のある大陸には飛ばさねぇ。むしろ大陸内に留めて戦争に巻き込み、そこで殺す。お前達を飛ばした奴は誰にどう命令されたのか、その命令を下した奴は何を考えているのか」
「………ヴァルハラは落ちる。核はのこり、他は消える」
カグラの言葉に誰もが黙り込む。辺りは重い空気に包まれ、炭の砕ける音だけが響く
「カグラ、核って?」
「………分からない」
再びの静寂。それを破ったのは、突然の来客だった
叩かれているのか、門が鳴る。呑気に門を開けようとするカグラを止め、晶はゾルに目配せする
二人はお互いに頷き合い、晶はゆっくりと門を開けた
『やっと開いたね。久しぶり、晶』
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