第一章

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「じゃあバンド名も決定したし今日は解散しないか?」 「そうだね。」 「じゃあ、あたしかえるねおやすみぃ♪」 「オレも書類整理しなきゃなんないしな。じゃあな。」 2人はスタジオからでた。 「ふぅ、静かになったな。」 「そうだね。ねぇコレからどうすんの?」 「ん?特に予定無いけど?」 「じゃあ今日泊まっていきなよ?」 「いいよ。」 それから2人は二階に上がりご飯を食べることにした。 聡の家は母親が七歳の頃他界しており今は家に朱里と聡しかいない。 「朱里どれにする?」 「どれにするって言われてもなぁ?」 朱里の前にはカップめんがズラリと並んでいる。 「聡冷蔵庫になんかないのか?残りもんとか…。」 「ウチ男2人だから簡単なものしか作れないからいつもカップめんなんだよね?」 「ふぅ~、ちょっと冷蔵庫見せろ。」 朱里は冷蔵庫を開けて中を確認した。 冷蔵庫の中には卵と玉ねぎと鶏肉とビールしかなかった。 というか冷蔵庫の半分をビールが占領している。 「…米はあるか?」 「ご飯は炊いてあるよとりあえず。」 「…じゃあちょっとコンビニ行ってくる。」 「なんで?」 「…いいから待ってろ!」 (ふぅ~、あの親子絶対体壊すぞ…。) 朱里はコンビニで炒飯の素と野菜サラダを買って戻った。 「お帰り。」 「おっかえりぃ♪」 聡の父ちゃんも帰って来ていた。 「…はいよ。ちょっと待ってろ。」 『?』 朱里は料理を始めた。材料が少ないのであり合わせの炒飯を作って2人の前に置いた。 「おぉ~!」 「美味しいそう!でもなんで?」 「あんたらカップめんばっかだと体壊すぞ?仕方ないから今日はオレが作ったけどそうじゃなくてもちゃんと作って食え!」 『…すいません。』 3人は飯を食べ出した。 聡と聡の父ちゃんはうまい!やらなにやらいいながらガツガツたべている。 一方朱里はそんな2人を半ば呆れながら静かにたべている。 「…アイツ、元気にしてるかなぁ?」 朱里がボソッとつぶやいた。 「ん?なに?どうしたの?」 「いや、こっちの話。…中坊の時にもいたんだよ。今のアンタらみたいに犬のようにウルサくガツガツとオレの料理喰う奴がな。」 「どんな人だったの?」 「いつもオレの後ろにくっついてた金魚のフンだよ。 ていうか一言でいうとアイツは犬だね。忠犬ハチ公。」
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