3:手紙

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便せんを裏返して差出人を確認する。 桜色の便せんには「綾里 真宵」と書かれていた。 「真宵ちゃんか…元気にしてるかな?」 綾里 真宵(あやさと まよい)…彼女は以前、成歩堂が弁護士だった時代、成歩堂法律事務所の副所長であった人物だ。 そして、成歩堂の師匠、綾里 千尋(ちひろ)の実の妹でもある。 成歩堂は弁護士を辞めて以来、あまり会っていなかった。 「修行…大変なんだろうな…」 成歩堂の言う「修行」とは霊媒師としての修行である。 綾里家の血筋の人間は、生まれ持って霊力を持っており、その力は、倉院流霊媒道と言われている。 倉院流霊媒道の力は本物である。そしてその力は成歩堂も目の当たりにしている。 昔は歴史上の人物の裏には必ず存在していて、その権力は絶大だったと言う。 と、言っても今は違う、真宵の母、「綾里 舞子(まいこ)」が、初めて警察から依頼を受けたのだが、霊媒は「失敗」。それが公となり、綾里家の権力は失墜。おまけに綾里舞子は行方を眩ませてしまう。 …そして、彼女は、倉院流霊媒道の家本である。 成歩堂は便せんの封を解いた。
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