174人が本棚に入れています
本棚に追加
「ダメだってば。今日は人がいるのよ」
アゲハの押し殺した声で目が覚めた。
誰かと話している。
「いいじゃない。見てもらえば?」
笑いを含んだ声は、アゲハが話している相手らしい。
「やだってば‥んっ」
アゲハの声が遮られ、ドサッと何かが落ちた音がした。
「や‥っ」
鼻に掛かった甘い声。
何をしているか‥分からない程子供でもなかった。
玄関でシてるのか‥
乱れるアゲハを思い浮べ、一人で赤くなった。
馬鹿馬鹿しい。
私には関係のないことだ。
私はソファの上で寝返りをうつと、もう一度目を瞑った。
.
最初のコメントを投稿しよう!