発掘!!女王様!?

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「よし…っと♪それじゃあ、そろそろ副業の方を頑張るとしますか!!」 所変わって、店の前に出たオレは、入口の上に上げてある少し錆び付いて下ろしにくくなったシャッターを、慣れた手つきで下ろして、さらに、それに鍵をした。 まぁ…こんな流行ってもいない店に泥棒が入ったところで、盗まれる物なんてたかが知れてるけど… 情けないのやら悔しいのやら、複雑な感情に見舞われたのを振り払うように、店の裏手から持ってきた自転車に跨がって、勢い良く漕ぎ出した。 鍵は、いつものよいにズボンの右ポケットに…っと。 両手が空いて、しっかりとハンドルを握りしめたオレは、さらに、速度を上げていく。 「今日は、どんな掘り出し物が見つかるかな…♪」 昨日、発掘した、殆ど無傷のバイクのモーターを思い出して、思わず笑みがこぼれる。 ちなみに、オレの副業はと言うと、この町の外れにある大きなガラクタ置場から見付けた物を、店に持って帰って、手を加え販売する事だ。 この不況なご時世…さすがに、修理するだけじゃあ食っていけねぇのよ… なので、俄然やる気のオレ!!今日も、掘り出し物を見付けてやるぜ!!! 意気揚々と、ガラクタ置場へと向かうオレ。 だが、この後に待ち受ける……あの存在の事など、オレはまだ、知る由も無かった。
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