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「……ん?」
ガラクタの大海原を、ガシャガシャと音を立てながら歩いているからか…
立ち止まって、後ろをチラリと振り返って、縦穴の方を確認する。
……気のせいか。
また、前を向いて歩き始めようと一歩を踏み出そうとする……と。
……………ャ……
「…オレの腹の音じゃない…よな?」
自分の腹を、注意深く見て、その時を、耳を澄まして待っている…と。
……ガシャ………
…やっぱり。この音、オレの足音でも腹の音でも無い……音の発信源は、後ろから…か。
今度は、振り返るだけじゃなく、信号方向を反転させて、音の方へと足を運んでいく。
耳を澄ませて、漸く聞こえるくらいの小さな音…それは、ガラクタとガラクタが擦れ合っているような機械的な音。
何だろう…この辺りに、オレ以外に人はいないし、動物も、奥の林にはいるが、ここまでは…
全く検討がつかないまま、微かな音を頼りに進んでいく…方向としては、縦穴に向かって進んでいる。
「…つか、方向に進んでいるというより、この音…縦穴から聞こえてくるぞ…?」
嫌な予感を感じながらも、少しずつ近付いていき…縦穴の淵にまで来たオレは、覚悟を決めて、下を覗いた。
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