沈む泥棒

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僕はその人間を尾けていく事にした。 そして着々とその人間の、情報を集めていった。 水面下で…ゆっくりと…時間はいくらでもある。 奴は、高級マンションに住んでいた。 僕はその時点で、決めた。 奴の家に泥棒に入る。 そして、何もかもを奪い去る。 しかも正々堂々と、真正面から、すべての障害を奪いさり、そして最後に、全くの裸になった奴から、すべてを奪う。 僕は、時間をかけ、正々堂々と考えを巡らせ、できうるかぎりの身体能力を駆使し、一つ一つ、障害を取り除いていった。 たった一つを除いては… 奴は、柔道の有段者であった。 僕がもし武器をもって挑んでも、勝てはしないだろう。 それに僕は武器を使うつもりは、毛頭ない。 僕もかなり無茶をすれば、素手でも少しは対抗できるだろうが、けがになる可能性がある。 それに負けたら、すべて終わりだ。 奴のいない所から、全てを盗むなんて、論外だった。 僕は奴を完全に負かし、けがをさせずに、制したいのだ。 …………ある。 たった一つだけ。 これしかない。 ならば…僕の情報を流す必要があるな… これ以上の完全勝利はありえない。 根本的な最大の障害さえも、乗り越える。 この方法なら、何もかもを手に入れる事も可能だ。 僕はこの世界にないものまで、手に入れるかもしれない…
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