沈む泥棒

7/11
前へ
/11ページ
次へ
…僕の両親は、奴とは正反対の人間だった。 色々な人の不幸を、一挙に背負おうとする人間。 人を疑うとゆう事を知らない。 人を信じ、優しくする事に、天命を感じている両親だった。 そしてやはりというべきか、ことごとく、奴のような人間に利用された。 だけど両親は、信念を曲げなかった。 何か理由があるんだ… 両親は負けなかった。 そして僕の目の前から消える時であっても、僕にその事の大事さを教えてくれた。 失ってはいけない心。 僕は両親と今生の別れのあと、両親の信念を、引き継ぐ事を決めていた。 そして、そう決心した時に、 現われたのが奴だった。 奴の言葉…それは僕と、僕の両親を真っ向から否定していた。 そして現実、奴は幸せで、僕らは不幸だった。 社会にさえ否定されている。 僕は、復讐を決めた。 奴とゆう社会、世界に対する復讐を誓った。 絶対に僕らを否定なんかさせない。 これは、孤独な復讐。だが、血の復讐だ。 今や僕一人しかいない、だが、僕一人はいる。 一人…。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加