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「・・・おい、春彦。これが噂のポルターガイストって奴か」
「らしいな竜二。だいぶ噂が真実に成りつつある気がするんだ、俺は」
ポルターガイストというより、確かに何かがそこにいる。足音、気配、そして―。
『あ。やっと来たね』
女の人の声。
少しだけ大人びた女性の声がクラスに響く。
皆が俺の机の周りを凝視する。
「なぁ竜二。お前、霊感か何かあるか」
「0だ。親父もお袋さんもないだけど居るな」
「参ったな、これじゃあ――」
「・・・取り憑かれる」
誰かが言った瞬間、皆が悲鳴を上げて逃げ始める。
春彦と俺だけはそこに残り、ただ足音が近付いて来るのを聞いていた。
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