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理由というか、こうなった原因はある。
小夜子が言ったのだ。
「もし~竜が街で私をお母さんとかママとか言ったら~私の実年齢ばれちゃうから、私はさやって呼んで。あ、さやっていうのは、ママの高校時代のあだ名よ~」
小学生の頃、まだ小夜子が朝夜帰りになる前の話しだ。
「竜~今日ご飯なぁにー?」
「ひじきと昆布のみそ汁、それから今日は鯖が安かったから鰈の味噌煮だ。明日は弁当いるのか?」
「んーん。明日はいらないの、明日ぁ私の事をよく指名してくれる人がぁ、ご飯おごってくれるんだって!」
小夜子はテーブルを拭きながらそう言った。
「そいつはよかった、食費が浮く。そこ、どいて」
かたん、と皿を順番に置く。
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