オオカミと私と

3/4
前へ
/34ページ
次へ
「み、見た!?パコ」 「見たよ・・・白くて大きくて・・・」 「うんうん」 「つぶらな瞳の・・・」 「・・・?うん」 「いもむしだろ!!あんなの見たことない!!ヒィー!!じんましん出るッ」 「そっちじゃない!!」 漫才みたいな事をやっているうちに、それは茂みからでてきた。 「うるさい・・・君たちのせいで眠れません」 でてきたのは、白いライオンだった。これこそ百獣の王、白く美しい毛並みと、青く鋭い目は何者にも媚びぬ気高さが感じられた。 「パコッ!!な、何とかして!!」 「おうおうレオじゃないか」 「あ、パコさん。久々っすね。また細くなりました?健康第一っすよ!!」 「ハハッ分かるか?最近野菜思考なんだぜ。でもウサギは美味しいよね。」 「美味しいですね、ウサギ・・・でも最近ウサギの少子化が進んでいるらしくて・・・あまり食べるんじゃないとウサギ代表に言われましたよ。」 「ほう、そうなのか、じゃあヤギか豚だな!!」 二匹が和気あいあいと話す中、アリスはポカンとした顔で二匹を見つめた。 「ねぇパコ・・・」 「アニキを呼び捨てするとはこの無礼者!!小娘がッ!!食い殺してやる!!」 「キャアッ!!」 「や、まてまてレオ。彼女も奴らにおばあさんを殺されたんだよ。だから、一緒に着いてきているだけだ。」 「あ、そうなんすか!!」 レオと呼ばれるライオンは、アリスの前に来て頭を下げた。 「申し訳なかった。俺はレオって言うんだ。パコさんが呼び捨てを認めるくらいなんだから、俺だって君に呼び捨てされなければ腑に落ちんぜ。俺の事は、レオとでも、何とでも呼んでくれよ。」 「わ、私はアリス。よろしく」 「ところで、」 パコが話を切った。 「レオは何をしていたんだ?」 「ああ、ドキッとメモリーズ、通称ドキメモしてたっす。」 「相変わらずマリが落とせてないんだな。」 「そうなんすよ!!こいつガードの固いツンデレ野郎なんすよ。わりと可愛いから良いけど。」 レオはゲームが趣味らしい。しかも少女の出るゲーム。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加