オオカミと私と

4/4
前へ
/34ページ
次へ
「レオ、あの豚たちのボス知らないか?」 「あの豚っすか~?」 レオは、目を細めて遠くを睨んだ。しばらくして、目をカッと見開いた。何か思い出したのだろうか。 「パコさん…」 「どうした?」 「マ、マリの弱点思い出したっ・・・!!」 レオは跳びはねた。やれやれ、こんな事だろうと思った。しかし、しばらくするとレオはさっきより目を見開き、固まった。 「今度はなんだ?」 「パパパパコさん、後ろっ」 パコは後ろを渋々向いた。するとそこには 口が裂けた 目が真っ赤な 大きな大きな 幽霊 「・・・!!!!」 パコはもちろん固まった レオは身構えている。 一方アリスは 「キャアアアアアアッッ!!!!」 そう、女にしては正しい反応だろう。しかし、次に発した言葉にレオとパコは絶句した。 「可愛いいいッッ!!!!」 「・・・!?」 そう叫び、アリスはその幽霊に抱き着いていった。 「なんて可愛いのッ!?もうこれはお持ち帰りよ!!」 アリスのありえない反応と、抱きしめられる痛みに幽霊は悶絶した。 「ギャアアア!!!!」 苦しそうに叫ぶと、痛みに耐え切れなかったのだろうか、アリスの腕から消え去った。 「ああっ、・・・いなくなっちゃった・・・。」 「す、凄いわ・・・大スクープだわ!!」 叫んだのは一人の女だった。 「ついに幽霊が死んだ!!死んだ!!死んだ!!!死んだ!!!!」 嬉しそうに叫びながら、森にスキップしながら入っていった。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加