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満月の夜には
家に着くと、アリスは眠れるはずもないベッドに寝転んだ。
真っ白い部屋には、黒いピアノと白いベッドが一つずつ置いてあり、出窓には白いレースのカーテンがかけてあった。
そこから漏れる淡い月明かりに照らされたアリスはとても美しかった。
絹のように白い肌に、柔らかくかかったきらめく美しい黄金の髪。エメラルドの瞳で見つめる先には、彼女の今は亡き祖母の微笑んだ写真があった。
満月が眩しいほど輝くとき、彼女はいつもあの夜を思い出す。
祖母が殺されたあの夜を…
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