脱出劇の始まり

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店から持ち出したものは懐中電灯のみ。 その懐中電灯も逃げる際に壊してしまい、手持ちには携帯電話と腕時計と財布のみ。 携帯電話も下水に逃げ込み電波も届かず圏外。 足元を照らすライトがわりにしていてもう電池も僅かしか残ってない。 「あ……あたしの携帯電池切れた。」 「マジかよ………って俺のも切れたとか…」 「ほんとニートは役立たずね。」 「もぅ何も言えません………。」 二人は僅かな蛍光灯の光をたよりに、マンホールが空いている場所をさがした。 探し続けること一時間。 ようやく地上への出口を見つけた。 二人は走って梯子に駆け寄り上を見た。 空は赤黒く、地上から水がこぼれて落ちてき、炎がバチバチと音を立てながら燃えている。 化物たちのうめき声は聞こえてこない。 リコは梯子に手をかけそのまま登り、頭を少し出して様子をみる。 まわりに化物は居らず、目の前には警察署の正面玄関が見える。 リコはそのまま地上に出て、アシュレイに登ってくるように合図をする。 合図をして間もなくアシュレイも地上に出る。 二人はそのまま警察署に駆け込んだ。
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