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「お腹すいちゃったよね?ごめん、思いうかばなくて....だからすぐ本屋に行って何か胃に優しい料理のレシピあるか見てくるから!」
そう言って玄関の方へ向かおうとしたその時、腕を大きな手で掴まれた。
「……?秋彦さん?」
「行くな」
「え?―――…っ!」
何でもいいから早く作れということだろうかと考えていると、急に抱きしめられてしまった。
「あ...あああ秋彦さんっ!!??ど、、どどうしたの?お腹すいたんじゃ………」
オロオロしていると、さらに強く抱きしめられた。
「違う、俺はただ美咲不足だっただけで………」
「なんだよそれっ!?」
顔が熱くなっている。ということは、今の俺の顔は真っ赤なんだろうな……;
「補充しないと……」
「……秋彦さん..それは嬉しいけど...」
「何?聞こえなかった」
わざとなんだろうか…………。
「けど!本当にお腹すいてないの?お昼のサンドイッチ2切れしか食べてなかったじゃん!」
「あぁー……残してすまなかったな、時間がとにかくなくてな、でも美咲の作ってくれた物だから口の中にいれ―――…」
「会話の内容が変わってるよ!すいてないの!?」
「んー……言われてみれば、腹減った..かもな」
「やっぱり!じゃあ俺行ってくるから!!」
美咲はそう言って名残惜しいけれど秋彦の胸の中から脱出(と言うと悪い言葉になけれど)し、走って玄関へと向かった。
「おい、美咲!車には気をつけるんだぞ!」
「大丈夫だよ!子供じゃないんだし」
「……俺のようになるなよ」
秋彦がとても心配そうな顔をしている。
(過保護だなぁ………。決して迷惑ではないけれど。むしろ……嬉しい。)
「そんなのめったになんないよ!大丈夫大丈夫、いってきまーす!!!」
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