鈴木美咲記憶喪失編

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勢いよくドアをあけ、エレベーターがくるのを待つ。 秋彦の言っていた「俺のようになるなよ」という言葉は、意味がある。 それは、以前交通事故になりそうだった子供を秋彦がかばい、かわりに秋彦が交通事故にあってしまった。ということがあったのだ。しかも、その時頭をぶつけたせいで秋彦は記憶をなくしてしまったのだ。だから秋彦はさっきの言葉を言ったのだ。 (あの時は大変だったな……。付き合ってるってことも忘れてて、色々あったけど、今では完全に記憶は残っているし、貴重な体験ができたんだって考えればいい思い出なのかな?) エレベーターが来た知らせの音が鳴り、中へと入った瞬間、美咲は小言を呟いた。 「....もし、俺が記憶喪失になっても、秋彦さんは俺を好きでいてくれるのかな?」その後、美咲はエレベーターに乗っている間、そのことで頭がいっぱいになっていた。
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