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「あ、これなら食べやすそう!」
本屋についた美咲は、目的通りに料理のレシピ本を立ち読みしていた。
(なんだかいいのばっかりあるなぁ、これからもしこうなった時用にこの本買っちゃおうかな……。ん?でもこのレシピじゃ家のある物じゃ作れないかも………。)そう思って時計を見てみると、時刻はPM7:30だった。
(スーパーに寄ると帰る時間が遅くなっちゃうな……、でもこのレシピだったら家帰ったらすぐ作り終えられそうだしいいか!)
心の中で時間の計算をしてからレシピ本を買い、すぐにスーパーへと向かう。
必要な材料を手早くカゴの中へ入れ、レジで会計を済ませ、後は家へ帰って料理をするだけだと急いで帰ろうとした時、すぐ近くの横断歩道付近でフラついている女子高生がいた。
(何だろう…、危なっかしいなぁ)
そう思って見ていると、女子高生は急に笑い始めた。
(え!?怖い……、まさか……)
自分が想像したことと違うことを祈っていたその時、彼女は車が走っている道路へと一歩一歩、少しずつ早足にしながら確実に向かっていた。
(嘘―――!!)
自分が想像したことだと確信し、スーパーの袋を手放し、あわてて、そして全力で彼女の方向へ走る。
「そんなことしちゃ、ダメだー!!」
ドンッ
鈍い音がなった瞬間、美咲の脳裏にある言葉が出た。
「俺のようになるなよ」
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