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朝。
私はいつもの道を走って行く。
里菜「はぁ、はぁ、麻奈ちゃん、ごめーんっ!」
麻奈「もう、里菜!遅いっ」
里菜「うぅ…ごめんなさい」
麻奈「もう慣れたからいいわよ。けど、これが先輩だったらどーすんのよ…」
里菜「うっ…」
麻奈「今日のところは許してやろう。」
里菜「ありがとうございますっ!神様、仏様、麻奈様~っ」
麻奈「調子いいんだからっ。早く行こ!遅刻しちゃう!」
里菜「うんっ♪」
私たちは相変わらず仲良しなわけでして。
里菜「あっ、椿先輩!」
私の声に気づいて振り返ってくれる。
椿「あら、里菜。おはよう。麻奈ちゃんもおはよう。」
里菜・麻奈「おはようございますっ」
夏樹「二人とも、相変わらず双子みたいだね~。」
里菜「宮野さんもおはよう♪」
夏樹「おはよ~。…姫が怒ってますけど、大丈夫ですか?菅野さん」
宮野さんの言葉に視線を移すと…
椿「“先輩”って呼ぶの、いつになったらやめてくれるのかしらね~、里菜さん」
里菜「あ、」
椿「あ、じゃないでしょ、里菜。」
そう言って拗ねるところがまた可愛い。
今はもう10月。私と椿さんが付き合ってもう約半年が過ぎた。あの時はどうなるかと思ったけど、今は学校でも毎日会って幸せいっぱいです。
付き合ったときに決めたことは「先輩」をやめて「椿さん」と呼ぶこと。
椿さんは呼び捨てが良かったみたいだけどさすがに恥ずかしいので「さん」付けで許してもらった。
あと、もう一つ。何があっても一緒に帰る。ケンカしても仲直りのきっかけになるし何より少しでも一緒に居たいからだ。
本当は登校も待ち合わせして行きたいんだけど私には麻奈ちゃんが居るし椿さんにも宮野さんがいるから、それはなしになった。
…まぁ、私が待ち合わせに遅れるからってのもあるんだけどね。
椿さんには言ってないけど…。
けど、登校時間はだいたい一緒だから、大抵はこうして途中で会える。
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