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『ダンナ~今日はどうしたんですかい?』
もはや常連であるパルスはマスターと打ち解けている。
『いや~人が気持ち良く寝てたのに母親がさぁ
"パルスったらいつまで寝てるの!!まったく仕事もしないで!!最近は魔王のせいで不景気だってゆーのに!!少しはお父さんを見習って薬草でも収穫してきなさい!!この穀潰し!!"
とか言うんだぜ?
ひどくない?
ねぇひどくない?
俺だって好きで道具屋の息子に生まれたわけじゃねーっつーのな!!
俺だってそりゃ~やるときゃやるよ?
でも今はまだ違うんだよね~。
人生焦っちゃダメだと思うのよ。うん。
将来的にはアレね!!
夢は宿屋だから!!
その為に今は心地良い睡眠てのを模索してるわけよ!やっぱ何事も経験を生かしていかないとね!
ね?マスターもそう思うっしょ?』
…誰もいない。
ただのカウンターのようだ。
どうやらマスターは俺の話に見切りをつけたらしい。奥でくつろいでいた。
『マスター…』
俺の囁きは寂しく酒場の喧騒に溶けていった。
その後、一人で2時間ほど酒を嗜み会計を済ませ酒場を出ようとしたときに妙な格好の男に声をかけられた。
『一緒に魔王を倒しに行きませんか?』
俺の物語が今、始まった。
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