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『いや…あのすんません。たぶん人違いだと思うんですケド。』
俺はこの怪しげな格好をした青年に告げた。
『まさか!!人違いなわけないじゃないですか!!僕はあなたのような人を探していたんです!!…あ!!すみません!!自己紹介が遅れました。僕はセシル・アルベルト・ロドリゲスRXと申します!!』
(…なげぇよ!!名前長すぎるよ!!名前入力出来るの4文字までだから!!超越しちゃってるよ!!何もかもを超越しちゃってるよ!!RXて!!RXて!!どこぞのライダーの方ですかぁぁぁぁ!!)
『いや、あの…そーゆーの間に合ってますんで…』
その何とかRXさんを避けて酒場を出ようとしたのだがドアの前に立ちはだかれてしまう。
『年齢はハタチで職業は勇者です!!』
(あいたたたたー。やっちゃったよ~。やっちゃったよこれぇ。今時ハタチで勇者はヤバイって~。格好だってマントに旅人の服に木刀ですよ。痛いよ~。これ痛いよ~。)
『いやホント…あの、間に合ってますんで。』
『僕のことはセシルって呼んでください。』
(聞いてないよぉぉぉぉ!!俺の話ガン無視だよコレ!!しかも名前!!"セシルって呼んでください"…じゃねーーー!!最初からセシルでイィじゃない!!RXとかいらないじゃない!!)
『なんかホントすみません。ちょっと俺、家帰って親父の薬草の収穫に付き合わなきゃならないんで。』
『そんなことを言わずに僕の話を聞いてください!!5分だけでイィんです!!魔王を倒すために!!お願いします!!…お願いします!!』
セシルと名乗る青年は場所も憚らずに土下座を始めた。酒場の客達はシラけた目で俺達を見ている。
『ちょっ、わ、わぁった!!わぁったから!!とりあえず頭あげてくれ!!話聞くから!!』
『え!?ホントですか!?こんな場所じゃあれだし奥のテーブルに行きましょうか!!』
そう言って立ち上がったセシルRXは俺の右腕を掴みテーブルまで一目散に駆け寄った。
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