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『いきなりこんなことになってすみません。でも一緒に魔王を倒すのはあなたしかいないとビビビッときまして!!』
テーブルに着くなりセシルは話し始めた。
俺は面倒だと思いながらもとりあえず話を聞こうとタバコに火をつける。
『ふぅ~。まぁ何から聞けばいぃのか正直わかんないんだケド…とりあえずRXさん、あんたどっから来たん?』
肺に目一杯吸い込んだ煙を吐き出しながら問う。
『セシルです!!セシル・アルティメイタムMARKⅡです!!』
(…名前変わってんじゃねぇかぁぁぁぁ!!)
俺はツッコミたい気持ちを抑え、冷静に聞き返す。
(とにかくコイツにゃ付き合ってられないからな。さっさと終わらせて家に帰ろう。)
『あぁ、すまんね。とりあえずどっから来たのよ?』
『はい!!僕はこの町から西にあるナポリタウンから来ました。』
ナポリタウンとは商業が盛んな城下街だ。
ナポリタウンの中心にそびえるナポリ城には変わり者の王様がいると聞く。
『へぇ、ナポリタウンか。あそこに住んでれば苦労もなにもないだろうに。そんなアンタがなんで…ぶっ!!ゆ、勇者なんかに?』
俺は笑いを堪えられずに吹いてしまった。
なんせハタチになって勇者なんて高らかに宣言している輩に会ったのは初めてだからだ。
そもそも勇者なんてーのは子供の頃のゲームの中の存在だろ?
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