孤高の帝王

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激しい練習に打ちあける日々が続いたある日男のもとに一通の手紙が届いた 今までは小規模な大会で走っていたが今回は大規模な大会からの招待状だった 打って出るには十分な大会だった すぐに返事をして女にも連絡をした 自分の練習を試すには十分な大会だった なにより男は勝てば女の笑顔が見れることに心踊った 大会の日彼の下馬評は散々のものだった オーバーワークのしすぎ 疲れた体で何ができる 批評の数々が上げられた 元のチームメイトやコーチにさえ 醜態を曝すだけ走らず帰るべき とまで言われた しかし男には気にもとまらなかった 女を笑顔にするだけのことで頭が一杯だった 女も呼ばれ来たがいつもより大きな大会に戸惑った様子だった 予選が始まった 男はオーバーワークで痛め付けた体にさらにムチを打って死に物狂いで走った 男が走るたびに場内はどよめいた ブッチギリこの表現でも足らないほどの圧勝で予選を勝ち進めた 最終の予選の頃には批判の下馬評は消え場内のどよめきも歓声に変わった 決勝もまさに圧巻だった 文句なしの優勝 男は走りきるとすぐ女のもとに向かった 女は泣いていた 男は戸惑いながら慰めていると女の顔は次第に笑顔になった 男はそれを見て自分は間違ってなかったと再認識した その時の笑顔は男にとって忘れられないものとなった その時はちらほらとまぐれと言われたりしてシンデレラボーイといわれた しかし男は次から次へ大規模の大会を荒らし回った 優勝回数が増えるに連れ男の呼び名も変わった 『孤高の帝王』と呼ばれしだいに回りから畏怖されるまでの速さと名誉を手に入れた 男は今速さと名誉を手にいれ最速の頂きに手を延ばすとこまでに成長した 忍び寄る影にはきずかずに
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