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昔から走ることが好きだった男は確かに速かった
しかし誰も畏怖するほどの速さではなかった
素質はあったそれなりの努力もしていた
しかし勝ちへの貪欲さはそれほどではなかった
ましては走ることが好きだったため、走れる今にその場以上の自分を求める向上心などは微塵もなかった
そんなときに現れたのが女だった
男と女は男の友人の紹介で出会った
男は一目惚れだった
男は女に猛烈なアプローチをした
そのかいあって男と女はすぐに仲睦まじくなった
男の走る姿を見に女も競技場に足を運ぶようになった
男の成績は女にいいとこを見せるために頑張るかいがあり、見る見るうちに上がっていった
そして男が勝つと女は笑った
男はその女の笑顔が好きだった
いつもその笑顔がみたいと心底おもった
男は幸せだった
これ以上にない人に出会えたと
女も確かにそう思っていた
しかし女には忘れられない人がいた
それが唯一の二人のこえられない壁だった
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